採集帖

本を読みながら考えたこと、など。

8月17日(月)晴れ

今日は友だちの家へ。約束してから、この日が来るのを楽しみにしていた。
はりきって10時半に待ち合わせ。ノリとしては中学生(いや、小学生かも)に近いものがある。
彼女が作る美味しいお昼ごはんをごちそうになり、高級バター入りのスコーンまで焼いてもらった。お茶は種類豊富に用意してあって(メニューまである!)居心地良く、ついデレデレ&ニヤニヤしてしまう。

彼女が読みたいと言っていた本を持って行き、こちらも本をいっぱい借りてしまった〜。以下は借りた本。

食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく)

食べることと出すこと (シリーズ ケアをひらく)

  • 作者:頭木 弘樹
  • 発売日: 2020/08/03
  • メディア: 単行本
 
すべて忘れてしまうから

すべて忘れてしまうから

  • 作者:燃え殻
  • 発売日: 2020/07/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
やまゆり園事件 (幻冬舎単行本)

やまゆり園事件 (幻冬舎単行本)

 
ここは、おしまいの地 (講談社文庫)

ここは、おしまいの地 (講談社文庫)

  • 作者:こだま
  • 発売日: 2020/06/11
  • メディア: 文庫
 

健康や障害者関連、エッセイといった本の趣味がここまで合う友人はなかなかいない。

普段から、気になる本や著者のことなどをLINEで言い合っているが、やっぱり顔を見ながらギャハハーと笑い合えること、こちらが話したらパッと反応が返ってくることは心底楽しくうれしいことだ。
この先のことを「(コロナの)終わりってものが見えないし、希望がないよね」などと暗く語り合う。「暗く」言い合えるというのは、自分にとってすごく貴重なこと。明るく言い合うのは簡単だし、また、誰にでも言えるけれど、暗い話は相手を選ぶことだから。「わかってもらえないだろう」と思う相手に、そんな話をする気にはならない。
夕方5時半までが、本当にあっという間だった。

彼女とは昔ブログで知り合い(彼女の日記にピン!と来て、わたしがメールを送ったのが最初だったと思う)、家がそう離れていないのでドキドキしながらも会ってみたら意気投合し、それからずっと仲良くさせてもらっている。出会いから何年も経ち、今、お互いにはてなブログで日記を書いていることの不思議を思う。

楽しく、美味しい一日をありがとう。

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8月16日(日)晴れ

今日も暑い。なんとなくだるく、起きると頭が痛い。暑さゆえ、なのか。頭痛薬をさがすが、切らしていた。

家にいてもよかったのだが、最近は短時間でもなるべく外に出るようにしているので、えいやっと近くの大きい街に出る。
文具を見て、何も買わず。本を新刊書店で買わず、ブックオフで買った(つい)。

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)

『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』石井好子河出文庫)。このタイトル、本当にいい。タイトルだけで情景が浮かぶもん。どうやって、誰がつけたんだろう? 当時『暮しの手帖』に連載されていたのをまとめて本にしたって聞いたことがあるから、花森安治がつけたのかな?と思っていたら、

当時フランス映画『巴里の空の下セーヌは流れる』の主題歌がヒットしていたので、シャンソン歌手の私に合うように花森先生がつけてくださいました。〜『いつも夢を見ていた』より

 と、こないだ買った本に答えがあったのだった。ほうほう。

「国境なき医師団」を見に行く

国境なき医師団を見に行く』いとうせいこう講談社)。前に読んだラブという薬

の中で医師団の話が出てきて以来、「国境なき医師団」て一体なんなんだろう?と思ったので。しばし寝かせておいて、「知りたい!」と思った時に広げる予定。

こちらは、気になる本。本屋の店頭のフェアに並べてあった(本屋での、こういう出会いが好きだ)。

波止場日記――労働と思索 (始まりの本)

波止場日記――労働と思索 (始まりの本)

 

自分はタイトルに「日記」の文字があると、つい手に取ってしまう習性がある。これは「波止場」という響きに「日記」? となって、いそいそとページをめくってみた。 ホッファーさんを存じ上げなかったのだが、「沖仲仕の哲人」と呼ばれた人なのだそう。沖仲仕(おきなかせ。狭義には船から陸への荷揚げ荷下ろしを、広義には陸から船への積み込みを含む荷役を行う港湾労働者の旧称)として働き続けた哲学者、ということだ。へぇー、そんな方がいたとは(こういう方に惹かれる傾向アリ)。エリック・ホッファー自伝―構想された真実という本も図書館の蔵書に見つけたので、いつか読んでみたい。



8月15日(土)

夫がはりきって朝から焼いていたパンが美味しかった。焼き立てに勝るものなし。
お昼から仕事。すぐに黙祷の時間。そうだ、今日は終戦記念日だった。同僚から、今夜放送されるというドラマ“太陽の子”について聞く。

なんだろう、なんだか取り立てて書くことがないので本のことを。
通勤の電車で読もうと本棚から取り出したのは、

ド・レミの歌 (中公文庫)

昔々、谷根千一箱古本市でゲットした『ド・レミの歌』平野レミ(中公文庫)。
ちなみに…2013年『ド・レミの歌』に、その後の子育てについて綴った続編を加えた
ド・レミの子守歌 (中公文庫)が新編集版で発売されている(巻末には、長男・和田 唱による「全てのお母さんに」を収録)。発売された当時「えー、復刊したんだ!」と驚いた。絶版になっちゃったんだろうなと思っていたから。読み比べてみたい気がするなあ。
さて、この本、ひさしぶりに開いたけど、毎回ワハハと笑ってしまう面白さ。あのお人柄そのままの素直な文章が続く。ご本人によるカットもいい味出してる。可愛い女、レミさん。

夜はとんかつ。とんかつは大好きだけどなんたってカロリーが高いので、たまにしか食べない。もともと食べることにあんまり興味はない方だけど、最近は前より体型を気にしている反動なのか、食べるのが楽しみになっている自分を感じている(いいのか悪いのか)。

8月14日(金)晴れ

お昼まで仕事。予想外の事態があり、ちょっとバタバタ。
お昼は、迷ってウェンディーズで食べる。頼んだハンバーガーはかなり肉厚だった。美味しかったけど、若干胸やけ状態。ハンバーガーはそんなに好きじゃないのに、たまに食べたくなる。これって思春期の食べものだよなあ。ジャンク。アメリカン。あー、ずいぶん遠いところに来ちゃった気がする。


気をとり直して、いつも行く大きな本屋へ。

女ひとりの巴里ぐらし (河出文庫)

『女ひとりの巴里ぐらし』石井好子河出文庫)。
次に石井さんの本を買うなら、まず、この本から…と思っていたので購入。
プーと私 (河出文庫)

『プーと私』石井桃子河出文庫)。こちらも購入。

以前、石井桃子のことば (とんぼの本)を読んだ時に印象的だった話が載っている。それは、イギリスの劇作家A・A・ミルンが書いた“Winne-the-Pooh ”「クマのプーさん」の話に初めて出会った時(なんと昭和8年!)のこと。このちいさな出会いが日本中にプーさんを広めるきっかけになるとは、考えるだにきゅーんとする。
そして、ちょうど読みたかったお二人の著作が、両方とも河出文庫から出版されているのがおもしろい。


夜、ラジオ番組“ACTION”(パーソナリティーは武田砂鉄さん)にゲストで出てらした荒井裕樹さんの回をタイムフリーで聴く。

メモを取りながら聴いたが、今、TBSラジオのHPにこうして文字でアップされてるのを知って「なんて親切…」と感動。興味のある方、ぜひ読んでみてください。
荒井裕樹さんは、こちら↓の連載もおすすめ。

障害者支援の仕事を3年やってみて、あまりに疲弊して「もう続けるのは無理!」とやめてしまった自分だけれど、どうもその“視点”みたいなものを忘れたくないようなのだ。何がそうさせるのかは全くわからないけれども。
なので、また折にふれて、障害や生きづらさということについても書いていきたい。

8月13日(木)晴れ

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初代きょろちゃん。少し前に次女が買ってきてくれたもの。まだ実際には氷をかいていない。

一日仕事。
元気でもないけど、まあわるくない気持ち。


休憩中、サンドイッチを食べながらJ・J氏の男子専科(植草甚一スクラップ・ブック10)を読んでいたら、虫明亜呂無さんによる解説の中で、石井好子さんの巴里の空の下オムレツのにおいは流れるについて言及されている箇所があった。

なんど読みかえしてもあきないエッセイ集だし、女性でなくては書けない文章のお手本のようなものだが、石井さんの文章は実は、野球や、ラグビーや、ボクシングを書く文章とおなじ視点に立っていることに気づいている人はすくない。ただ、料理を見る目が、いかにも女性独特のもので、僕らが真似しようとしても、とうてい不可能な点は別として、僕は石井さんの文章によるカメラ・ワークとか、カットのきりかえしなどの鮮やかさに感心してしまった。

たまたま選んだ本にこういうのを見つけると、うれしくなってしまう。あー、好きなものはつながってるなあと思うのだ。石井さんのこの本、たぶん近いうちに読むはずだし。

帰りに駅ナカのカフェに寄るも、すぐに閉店時間だった。植草さんの本を読みながらアイスカフェラテを飲んで、出る。あぁ、もうちょっと腰を落ち着けたかった…。

こんな状況の中、みんなはどこで過ごしてるの?と思う。自分はもともと店に行くのが好きだから、いわゆるサードプレイスがないと煮詰まってくるのを自覚している。長女が一人暮らしをすることになり家を出て行ったことで、長年リビングが居場所だった自分に部屋ができ、コロナ以前よりは格段に家での時間が過ごしやすくなったけど、やっぱり何箇所かは行ける場所がないと不安になる。
職場近くにも喫茶店やチェーンのカフェなどがいくつかあるけれど、適度にほっといてくれ、人があまりいない、そう高価でない…となると、ふらっと行ける店は本当に限られているんだよなあ。

なんだか気持ちがしんなりしてしまう。あーあ、先のことを考えても、未だ先は見えず。日々悶々としつつもやり過ごすしかないのかと、しばし無力感に襲われる夜。

8月12日(水)晴れのち雷、ゲリラ豪雨

8月12日といえば、日航機墜落事故の日だ。あれから35年が経つのか。
なぜかその日のことは鮮明に覚えている。高3だった自分はニュースを見ながら「これは大変な事故が起きた」と思った。昼間通っていた夏期講習で、その前の日くらいに、思いきって気になる男の子に手紙を渡したため(そんなことは後にも先にもその1回しかない)「もしかしたら電話が来るかも」と、変な緊張感を持っていたことも覚えている(電話が鳴ることは、もちろんなかった)。
数年前、墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便 (講談社+α文庫)や、文芸誌に掲載された川上慶子さんのお兄さんの手記などを読んだが、壮絶としか言いようのない墜落現場や遺体の様子、助かった慶子さんへの想い…ただただ、胸が痛かった。


日帰りで帰省するという夫と長女が、朝4時台からやかましい。鈍感な自分でも目が覚める。行かないと言っていた次女も、結局一緒に出かけて行った。6時過ぎに。

洗濯して、あとはひとりの時間を満喫…と言いたいところだが、あまりの眠さに机でうつらうつら。そして、ほんの短い間だったと思うけど怖い夢を見た。うわ、危機一髪! しかし夢の中で「これは夢だ」とわかっている、怖いのに緊迫してない夢。

思いきってふとんに戻って、いつも夢をみていた: よく食べよく歌いよく生きた巴里東京ぐらし (河出文庫) をぐいぐい読む。読了。石井好子さん、二度結婚されていたことは知らなかった。華やかな世界に生きつつ、料理をふるまうのが好きな、大らかな女性というイメージだったが、実際の生活は本当にいろいろあったのだなあ(そりゃそうか)。けれど、いつも前を向いて走って行くバイタリティがある。ひょんなことからフランスで成功したのも、彼女のその性格に神様が微笑んだのだろうと思わせるものがあった。なんともかっこいい女性だ。次は、石井好子 追悼総特集 シャンソンとオムレツとエッセイと (文藝別冊)が読みたくなっている。

 
午後、暗くなったと思ったら雷、そしてあっという間に激しい雨が。悪い冗談のようだった。天気予報は当たった。焦って洗濯物を取り込む。セーフ。

そうこうするうちに、夫とむすめたちが帰ってきた。はやっ。録りためていて、途中からまだ見ていない“野ブタ。をプロデュース”を見ようと思ったのに!「おばあちゃんちで何してたの?」と聞くと、昔の写真を見て大笑いしていたらしい。
すぐに長女は自分の家に帰って行った。ちょっとさみしい。

結局、今日は一歩も外を出なかった。たまにある、こんな日。手持ち無沙汰な時間が苦手なのに、アタマで考えてしまうとなんとなく動けない日。
時間があったら、なるべく散歩して体を動かしたい。1日のうち、ほんの少しの時間でもいいから(未だ体重に変化なし)。

 

 

8月11日(火)晴れ

なんと11時まで寝てしまった。すっきりはしたけど、こういう時いつも罪悪感がある。
お昼に炊飯器でチキンライスを作る。次女のリクエストにより、卵2個を半熟状態でライスの上に乗せてオムライスに。今日はまあまあうまくできた。

あまりに暑くて、外に出るのを躊躇するほど。夕方の出勤前に寄り道しようかと思っていたけど、どうも弱気になる。この殺人的な暑さときたら!

しかし、誘惑には勝てず。いつもの本屋に寄って、手に入れてしまった。

いつも夢をみていた: よく食べよく歌いよく生きた巴里東京ぐらし (河出文庫)

『いつも夢をみていた よく食べよく歌いよく生きた巴里東京ぐらし』石井好子河出文庫)。石井さんといえば、まず巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)だけど、お料理以前にこの人の大らかさ、みたいなものに惹かれる。聞き書きなので、すらすら読めそう。

仕事帰りの電車を降りると「ハハー」という声。長女と同じ電車だったようだ。明日の父親の帰省に同伴するため、一人暮らしの家から泊まりに来たのだ。会うのはちょうど1ヶ月ぶり。「一人暮らし、どう?」と聞いてみると「さみしくもないわ。当たり前のことって感じ。なんにも思わない」。淡々としている。

そういえば一昨日、次女がミッフィー展に行ってきたのだが、調べていたら来年の夏、立川を巡回するようだ。自分は今回の銀座には行けなかったので、来年行きたい。その頃の日本はどうなっているだろう。予想ができない。