採集帖

本を読みながら考えたこと、など。

8月13日(木)晴れ

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初代きょろちゃん。少し前に次女が買ってきてくれたもの。まだ実際には氷をかいていない。

一日仕事。
元気でもないけど、まあわるくない気持ち。


休憩中、サンドイッチを食べながらJ・J氏の男子専科(植草甚一スクラップ・ブック10)を読んでいたら、虫明亜呂無さんによる解説の中で、石井好子さんの巴里の空の下オムレツのにおいは流れるについて言及されている箇所があった。

なんど読みかえしてもあきないエッセイ集だし、女性でなくては書けない文章のお手本のようなものだが、石井さんの文章は実は、野球や、ラグビーや、ボクシングを書く文章とおなじ視点に立っていることに気づいている人はすくない。ただ、料理を見る目が、いかにも女性独特のもので、僕らが真似しようとしても、とうてい不可能な点は別として、僕は石井さんの文章によるカメラ・ワークとか、カットのきりかえしなどの鮮やかさに感心してしまった。

たまたま選んだ本にこういうのを見つけると、うれしくなってしまう。あー、好きなものはつながってるなあと思うのだ。石井さんのこの本、たぶん近いうちに読むはずだし。

帰りに駅ナカのカフェに寄るも、すぐに閉店時間だった。植草さんの本を読みながらアイスカフェラテを飲んで、出る。あぁ、もうちょっと腰を落ち着けたかった…。

こんな状況の中、みんなはどこで過ごしてるの?と思う。自分はもともと店に行くのが好きだから、いわゆるサードプレイスがないと煮詰まってくるのを自覚している。長女が一人暮らしをすることになり家を出て行ったことで、長年リビングが居場所だった自分に部屋ができ、コロナ以前よりは格段に家での時間が過ごしやすくなったけど、やっぱり何箇所かは行ける場所がないと不安になる。
職場近くにも喫茶店やチェーンのカフェなどがいくつかあるけれど、適度にほっといてくれ、人があまりいない、そう高価でない…となると、ふらっと行ける店は本当に限られているんだよなあ。

なんだか気持ちがしんなりしてしまう。あーあ、先のことを考えても、未だ先は見えず。日々悶々としつつもやり過ごすしかないのかと、しばし無力感に襲われる夜。